スポンサーサイト

上記の広告は2週間以上更新のないブログに表示されています。 新しい記事を書くことで広告が消せます。  

Posted by スポンサー広告 at

2008年04月09日

ナナメのカンケイ

昨日は、某企業の新入社員のメンター研修を行いました。

メンターとは?

と思われる方もいらっしゃると思いますが、簡単にいうと新入社員の「心の支え」になります。


先日、今年の新入社員のタイプは「カーリング型」ということを書きましたが、別に彼らは好きで「カーリング型」になった訳ではありません。彼らの育ってきた環境がそのようなタイプを作ってしまったのではないかと思います。

彼らは、大人社会の嫌な部分を見せられて育ってきています。昨年を象徴する漢字が「偽」でしたが、ライブドア事件、耐震強度偽装事件などコンプライアンスを守るべき企業の嘘を見ながら育ってきています。企業経営陣が、一列に並んで頭を下げるという絵を見ながら育った彼らは、どんなことを感じながら育ってきたのでしょう?表面上は真剣にやっているように見せかけながら、実際は違うことをやっているということも処世術と考えているかもしれません。

団塊の世代の大量退職で企業の人材が不足するという2007年問題で、売り手市場の中で就職活動をしてきた彼らは、自分が主体的に動いて就職したというよりも流れに身を任せて、気づいたら社会人になっていたという感覚かもしれません。社会人という自覚が欠けると、周囲から求められることを求められる以上の成果を出すことで次の仕事を作るという社会人の感覚が理解できないかもしれません。会社の中でも自分探しをするかもしれません。

ゆとり教育カリキュラム、競争を排除した学校教育、友達みたいな親子関係で育ってきた彼らは、競争というものが理解できないかもしれません。企業は社会における自社の存在意義を市場に認めてもらってはじめて売上を得ることができ、その売上から給与が出ているという感覚がないかもしれません。自分なりに頑張っていれば、親の財布のように自然にお金は降ってくると思っているかもしれません。成果を出すための最後の踏ん張りどころで競合他社などにその道を譲ることと、電車でお年寄りに席を譲ることを同義と思っているかもしれません。

これらは非常に誇張して書いていますが、彼らの心の中にどのような感情があるのかということは、やはり私からはわかりません。だから対話をしてもらって心を開いてもらう必要があります。

昨日のメンター教育の中では、非常に厳しいことも言わせてもらいました。

メンターである皆さんがどれくらい自分の会社を愛しているかということを、新入社員はすぐに見透かします。
自分の大切な人生の大半の時間を提供している会社を愛していないということは、自分の人生を大切にしていないということになります。そのような人は、他人の人生のサポートはできないのではないでしょうか。
もし、皆さんが自分の会社を愛しているということであれば、その会社を好きになって就職を決めた彼ら(新入社員)を好きになってください。そして、彼らがどのような状況になっても、皆さんだけは、職務として彼らをサポートしてください。このナナメのカンケイを作ることで皆さんの会社の次世代を担う彼らは救われます。

のようなニュアンスの話です。

仕事は厳しいですが楽しいです。
仕事は辛いですが楽しいです。

その目標を達成することで自分が成長するという楽しみを彼らが感じるまで、きちんとサポートしてもらいたいと思っています。



話は変わりますが、開かれた大学ということで、京都大学がYou tubeで大学の講義の一部を配信しはじめたようです。




コースラインナップ



米国ではUCバークレーなどの大学が昨年からYou tubeで授業の配信を行っています。
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20357952,00.htm


日本では、京都大学以外に明治学院大学なども授業を公開しているようです。

明治学院大学といえば、佐藤可士和さんが大学のブランディングプロジェクトのアートディレクターになっていたようですね。


一昔前に、某大学の先生方の授業をCCDカメラで撮影してオンデマンドで配信しようとしたら、先生方からもの凄い反対を受けた記憶があります。大学も変わってきているということですね。

ちなみに、東京大学はポッドキャストで授業の配信をしていたと思います。


社会に出て自分の知識の無さに気付いた時点で勉強する環境ができていくということは非常によいことと思います。

大学の存在意義も変わってきていますし、何よりも先生方がお互いの先生方の授業が見えるようになって研究以外にも切磋琢磨して次世代の人材育成に真剣になってもらえれば日本は変わるのではないかと思います。

サイバー大学にも頑張ってもらいたいと思います。

大学の授業が広く公開されはじめたということは追い風ではないかと思います。  


Posted by 森戸裕一 at 06:49Comments(0)人材育成