2008年06月23日

若年者育成のあり方

先日、
「森戸さんは、学生団体の支援ということで何をされているのでしょうか?」
という質問をセミナーの際にいただきました。

基本的には学生団体の運営は学生スタッフの自主性に任せていますが、組織としての考え方や学生に認識してもらいたい社会の仕組みというものに関してはMLなどを使ってアドバイスなどを出しています。

九州学生ネットワークWANの場合には、プロジェクト制で様々な事業への取り組みを行っています。

若年者育成のあり方

例えば、昨日、新しいプロジェクトのリーダーに就任した学生から以下のようなメールが来ました。

On Sun, 22 Jun 2008 23:38:48 +0900 (JST)
<*********@*****.ac.jp> さまのメールを引用します:

>WAN理事、スタッフ各位
>
>お疲れ様です。〇〇です。
>
>私、〇〇は6月19日(木)WAN定例ミーティングの信任投票において
>承認いただき、2008年度後期CANPASS→スクールのプロジェクト
>リーダーに就任をいたしました。
>
>遅くなりましたが、ここにご報告申し上げます。
>
>----------------------------------☆☆
>〇〇大学 〇〇科
>NPO法人 九州学生ネットワークWAN
>
>〇〇 〇〇
>Email:******@******.ac.jp
>HP:http://kg-wan.net/index.html
>☆☆----------------------------------
>


このメールに対して以下のような返信を送りました。

〇〇さん

おはようございます。森戸です。

後期のCANPASSのプロジェクトリーダーになったということ、了解しました。

プロジェクトリーダーの役割
プロジェクトメンバーの役割
川崎代表の役割
プロジェクトに参加表明していない他のWANのメンバーの役割

などを明確にして、プロジェクトのスコープも明確にして、プロジェクトの目標達成のために頑張ってください。

まずは、年間スケジュールを確定してください。
後期ということでプロジェクトが定義されていますが、後期の前にプレ講座などを設定して、後期を盛り上げるという手段を講じることもできます。ここらへんは、川崎代表などと打ち合わせをしてみてください。
それを経て、プロジェクト定義書とWBSが確定するのではないかと思います。

社会では、それぞれが役割を持って仕事をしています。

例えば、社長というのも役割です。
社長という仕事は会社の社員を育てるということが90%くらいの比率になって、あとの10%は事業を継続できるようにお金を引っ張るということと、社員が出した起案の実行の是非を判断、事業の方向性の提示をすることくらいです。
社長の責任というのは、社員の誰が辞めても、失敗しても文句を言わずに対応策を練るということと、そして最悪一人になってもお客さまのために自分で体を張るという覚悟を持って市場に対して継続した価値提供の約束をする。
ということになります。

自分自身がきちんとできることと、人を育てることができるということが社長という役割を果たすためには重要になり、自分がやりたいことをやるためだけに独立、創業したような人は、人(社員)を育てることができないので結局は会社という形態を保持しているだけになってしまいます。独立だけして他の会社の仕事の手伝いをやっているだけであれば、他の会社の従業員になっているのと何ら変わりません。雇用されていない分、リスクだけをとって従業員をやっているということになってしまいます。

WANの学生スタッフの皆さんは、就職活動を通じて、どこかの会社を選択して、社員(従業員)という役割を担うことを覚悟するというプロセスを体験しているのではないかと思います。
社員の役割も様々ですが、基本的には社員はプロジェクトメンバーとして動くことになりますので、自分の考えだけでなく、会社のミッション、プロジェクトのミッションに従って、自分を律して動くことができるような能力を磨いてください。

〇〇さんはプロジェクトリーダーとして動くことで、会社の上司の気持ちが理解できるようになってもらえればいいと思います。上司という役割は、プロジェクトの目標達成とスコープ順守に責任を持つということです。
責任というのはネガティブなものではなく、必達するために必死になるという姿勢をメンバーに見せるということと、最後まであきらめないということです。結果責任を取らせるかどうかというのは、代表の度量と、組織としての最初の約束事がそのようになっているかどうかだけです。

WANは結果責任を取らせる団体ではありません。
プロジェクトを成功させたいということで、リーダーが必死になっているか
どうかを見て、アドバイスを出すための団体です。

がんばってください。

ナレッジネットワーク株式会社
代表取締役 森戸裕一
http://www.tisiki.net
組織活性化ブログを公開中 ⇒ http://knowledge.yoka-yoka.jp/




大学生に難しい課題を強いていませんか?

ということを言われることもありますが、社会に出てある程度の活躍をしたいと思っている学生には、これくらいのことは理解して取り組んでもらいたいと思ってやっています。

考え方ややり方を教えてあげればできるようになります。
学生に対してこれくらいのことは教えてあげれなければ、逆に学生からなめられることにもなってしまいます。
終身雇用的な意識が薄らいできた中で、企業においても採用した新卒者などにはきちんとした教育を行わないとスキルだけを教えても、従来型の仕事の考え方を強いてもやはりうまくいきません。

逆に、年収や社長や部長などの組織の中での役割や独立などばかりに目がいって、近道ばかりを考えて自分の足場を固めることもできない若者も増えていますので、学生の間に仕事というのは社会に価値を提供することということと、組織というのはそれぞれの役割の人間が協力して目標達成を目指しているということを理解させることは重要と考えています。

一時期は社長になりたいという学生がたくさんいました。
最近はコンサルタントになりたいという学生が増えてきました。

仕事の内容を少し勘違いしているのではないかと感じることがあります。
自分の人生に真剣に向き合い、自分の人生をかけて何を社会に提供するのか?ということを考える過程で、社長になるという手段も考えられます。ただ、それだけ大きな価値を提供しようとしているのであれば、相応の覚悟はいるということになります。
コンサルタントということを名乗るためには、どうかするとクライアント企業よりも強くクライアントが組織的に強くなることを望まないといけません。職に就いて自分の価値を周囲にお客さまに認めてもらうためには、相当な覚悟がいります。その覚悟が無くてもお金がもらえたという今までの状況にあった親を見て育った子供たちが甘い考え方になっているようにも感じます。

自転車操業的な自営業をやってきた親の日銭を稼ぐような努力をみて育った学生は、今の世代でも世の中の厳しさを知っています。本当に貧乏でお金を稼ぐことの厳しさを肌身で感じて育ってきて学費も奨学金や自分でまかなっているような学生は、働くという厳しさを今の世代でも知っています。
ただ、国民総中流的なサラリーマン全盛時代を親として持っている今の学生世代は、社会に出てお金をもらう厳しさ、仕事というものの本質を親の背中から学ばない中で、就職活動をしてしまっているようです。

それらを早い段階で知らせて、若い世代に本質的な努力をしてもらうことを私たちは次世代人材育成と呼んでいます。

きちんと教えてあげれば、今の学生は知識レベルは高いので伸びる部分もあります。
真剣に考える、仕事の本質を知るということを教えてあげれば、彼らは納得してくれます。

人材採用についてのポイントや新入社員研修の考え方などについての人事担当者向けの説明会を7月25日(金)に予定しています。


あと、先日の東京での次世代システムエンジニア向けの講演についての受講者の感想などがブログに書いてありました。

http://yamamoto.xrea.jp/2008/06/post-83.php

ちなみに私はNTTドコモユーザです。
端末デザインなどが後手後手になっているという話はしたと思います。(笑)


同じカテゴリー(人材育成)の記事画像
こちらのブログは6月末までになります
ビジネスの芽がたくさん生まれてきました!
来年こそは!
君たち(学生)でも出来ると信じてあげる
営業研修に真剣に取り組んでいる企業の半数は増収増益
無意識有能な上司と有意識有能な上司のどちらがいいですか?
同じカテゴリー(人材育成)の記事
 こちらのブログは6月末までになります (2017-06-23 06:13)
 ビジネスの芽がたくさん生まれてきました! (2015-01-01 10:24)
 来年こそは! (2014-12-31 07:51)
 君たち(学生)でも出来ると信じてあげる (2014-12-29 10:32)
 営業研修に真剣に取り組んでいる企業の半数は増収増益 (2014-11-26 09:55)
 無意識有能な上司と有意識有能な上司のどちらがいいですか? (2014-11-20 19:10)

Posted by 森戸裕一 at 10:35│Comments(0)人材育成
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。