2008年12月22日

いつまでも子供でいたい学生たち

「森戸さんは学生に厳しいんじゃないの?」

いつまでも子供でいたい学生たち

というメールをいただきました。

はい、厳しいです。(笑)

大人が勝手に今の学生はレベルが低いので彼らには無理だということでハードルを低く設定していたのでは、彼らはいつまでたっても成長できません。甘ったれている彼らを作ってきたのも今の大人の世代であるのであれば、高卒の子供は働いている大学生にもなって更に甘えさせている学生を取り巻く大人は更に罪が重いことになります。

企業研修などで新入社員研修なども担当していますので、親世代の社員が自分たちの子供世代の新入社員に厳しく接することが出来なくて、結果、組織全体が疲弊しているという状況を垣間見ていますので、将来的にビジネスパーソンとして働く人材には学生時代から厳しく接することを私は行っています。

皆で一緒にがんばって就職活動を乗り切ろう!とか、就職支援の会社はやっていますが、皆で一緒にというよりも自分で仲間を作って切磋琢磨して自分の成長と仲間の成長を望むというのが正しい表現ではないかと思います。昨今の派遣労働者の現状などをつぶさに報道しているメディアの報道姿勢も弱いものを助けるのが私たちの使命とばかり偽善的なものを感じますが、根本的にそのような状況を作ってしまったのは自分たち親世代なんだということを認識しないと、立場が変わって甘えさせているだけの状況の繰り返しになってしまいます。

派遣で働いている人たちにはそれなりの理由があるのでしょうが、正社員という自分で仕事の価値を創造している役目を持つ仕事を担当する人材になるためには相当の努力が必要になりますし、それを継続していかないと正社員である続けるということは難しい時代です。「もう派遣はコリゴリです」という気持ちがあれば本気でビジネスの勉強をしないといけません。正社員って、そんなに努力しているか?と疑問に思われる人もいると思いますが、継続した努力ができない人はリストラされるという時代が到来したということを認識してもらわないといけません。会社側がリストラしなくてはいけない理由は、やはりあるので、それを理解できないという感覚が正社員としては採用が難しいということになります。

甘やかすというのは親が十分にやってきてくれたと思いますので、社会は厳しいということを教えてあげないと、子供の意識で社会に出ると本人が苦労します。動物を野生に返すときに野生の厳しさを教えないと死んでしまうので厳しく接するというのと似ています。それが本当の愛情ではないでしょうか。社会に出てまで親が常に面倒を見てあげるということはありませんし(一部の子供はそういう環境のようですが・・・)、第一、周囲に迷惑をかけつづける自分に嫌気をさしてしまう(プチ鬱病になる)前に社会の厳しさを教えてあげることが重要と思っています。

クライアントの社長などとお会いしていても「自分は学生時代は遊んでいたので学生諸君にはしっかりと遊んできてもらいたい」と言われることがあります。私はその言葉を聞いて、ちょっと時代錯誤と感じることがあります。時代が右肩上がりの経済環境でモノ不足の時代で良いモノを作れば売れるという時代ではありません。大学教育が社会に出てどれくらい役に立つのか?という議論も一方でなされている中で大学での教育と就職予備校的な社会に出てからの仕事をつなげるミドルウェア的な活動をNPOとして九州学生ネットワークWANでは行っています。そのような活動にはしっかりと学生には取り組んでもらいたいと思っています。先日の福岡大学のベンチャー起業論は同じような活動で単位も発行されるということは素晴らしいと思っています。

現在の時代の変化についていくには、自分の考える以上のスピード感で動いていく必要があります。

そのスピード感覚に慣れれば、自分なりのスピード感で仕事に取り組んでいても成果は出すことができます。

そのスピード感覚と、自分なりというレベルの低いハードルではなく人から評価されるという高いハードルを設定してクリアするという目標設定感覚を学生には持ってもらいたいと思っています。

少子化の影響か親からも先生からも本気で怒られたことがないような子供たちが、私のような人間に最初に会ったらたぶん萎縮するのではないかというのは理解しています。ただ、そのような経験をしないと一番難しいハードル(お客さまを納得させる)ということをできるようになるはずはないと思っています。

ハードルの高さを価値感の違いや方向性の違いにすり替えて挑戦するのを止めるのも最近の若い人の特性です。そのすり替えるときに「自分らしさ」「自分の夢」などを持ち出すということをどこかで学んでいます。それで大人がだまされることが多いのですが、その「自分らしさ」や「自分の夢」は自分が楽をするための言い訳のことが多いようです。大人をだますことにかけては、子供のころから訓練されていますので、素直に聞いていると簡単にだまされます。早い段階でこの組織ではだますことはできない、この大人はだますことができないということを認識させないとつけあがります。ゆとり世代というのは、このような世代なのかもしれません。

自分たちの努力を避けてきても、自分が仕事ができないことには劣等感を持つというプライドはありますので、企業などに就職すると教育をしてもらうことを求めてきます。ただ、努力をすることを避けてきた人間にどのような教育を施しても成果はでないということを私たちは知っています。まずは、自分は楽ばかりしてきたということを認識させることが最初で、そのままではいけないということを認識できてからスキル系の教育を施す必要があります。

そういう意味で来春の新人研修などは非常に厳しいものになると私は思っています。起業業績が悪い中で内定取り消しまではしないまでも余剰人員が出てしまうのではないかというくらいまで採りすぎている企業は多いようです。きちんと指導して会社の戦力になる人材にすることができれば余剰にはならないと思いますが、楽な就職活動を行ってきた09卒の学生は非常に手ごわい存在になると思っています。

年明けからは、NPOでそのような来春に社会人になる学生(4年生)向けの講座も開設していく予定です。
徹底的に厳しくしてスクールから逃げ出すような講座も面白いのではないかと思っています。

本気になれない子供たちを社会に適応する大人にする機会を作ることがNPOの使命になってきているようにも感じます。


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Posted by 森戸裕一 at 10:03│Comments(0)人材育成
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