2009年01月03日

大不況の時代に生まれてよかった

私が社会人になったのはバブルが絶頂期の少し後で1990年になります。

まだバブル景気は崩壊していなかったので就職活動も難しい時期ではなくバブル採用などと言われて私たちは社会人になりました。その後にバブルははじけてしまい企業は新卒採用を抑制して後輩などが入ってこないという非常に特殊な時代も経験しました。

これらの人材採用の「売り手市場」「買い手市場」は当然のことながら景気の波と連動しています。

バブル採用者として社会人になり、その後の就職氷河期なども見てきていますので、今の学生に対しては将来を予見した様々なアドバイスを出せると思っています。

ただ、この正月の寒々とした雇用情勢の報道などを見ていると近い将来、日本でも職を奪い合って暴動のようなものさえ起きるのではないかと感じてしまいます。親に頼って生きてきて自分の力で生き抜いていく力が無い世代は、親が働けなくなってしまった時点で非常に辛い現実に直面するのではないかと思います。働く場所も住む場所も無くなってしまうというイメージが彼らにあるのかは疑問です。居場所が無くなるというのは本当に辛いことです。

これからの時代を予想するにあたり、まったく違う価値観の社会になるという予想と景気の循環の周期から予測される次の回復期を兼ね合わせて考える必要がありそうです。

学生などの若者から見ると年長者である私たちは過去の経験から学んだことを教訓として後世に伝えていきます。これも景気などの波は繰り返されるという前提があるからになります。




もっと短いスパンで考えれば、10年毎に来る不況の時代に生まれた企業が10年後には社会を代表する企業になっていることが多いということにも気付きます。企業が生き延びられる寿命も短くなってきていると言われていますが、企業が大きくなって社会に大きな影響を与えるようになるまでの期間も短くなってきています。(楽天、Googleなど)

20年前に生まれた企業(バブル崩壊の時期)、10年前に生まれた企業(山一証券、北海道拓殖銀行などが破たんした金融不況の時期)、10年毎に来る大型不況が新しい価値を創造する企業を作っていると考えると、今回の100年に一度の大不況と言われる今年から来年にかけてどのような企業が生まれてくるのかは大きな興味になります。

不況という節目を、古い価値観の終焉と新しい価値観の始まりと見ると非常に楽しくなってきます。

私は1990年にIT関連企業に就職して、ソフトウェアエンジニアの育成や企業の人材育成計画などの仕事に就いて、クライアント企業が求めた業務効率化、スピード化の支援を行ってきました。

約20年前にIT企業に就職を決めた理由は、情報化時代がやってくるということでコンピュータが人間社会に与えるインパクトを身近で見てみたいという理由からでした。10年前にはインターネットというインパクトが現れました。それぞれのインパクトは不況の時期と偶然にも重なっています。

情報化支援は、企業の意思決定のスピード化を図ることだと考えて、業務のスピード化により社員や組織に時間的な余裕を作り、その余裕を企画や営業活動などに当てるということを訴えてきました。

ただ、その考え方だけでは次の時代で生き残ることができないということは認識しています。

次の時代は、当社の名前(ナレッジネットワーク)が価値を生み出すようになっていくと予見しています。
一人勝ちの時代から相互互助の時代になってきています。相互互助のためにやりとりされるモノが労働力なのか、知識なのかということを考えると新しい時代は後者ではないかと思います。

公的なセーフティネットは機能しなくなりお互いが助け合って生きていかないといけない時代になった中で、同じ地域に住む人間のコミュニティ、同じ境遇にある人間のコミュニティをどのように構築していくのかということが課題になっています。

このコミュニティは単なる烏合の衆ではなく、知識を持った人間もコミュニティに参画して生きるための知恵を授けるという形を作っていくことが重要になってきます。ここにインターネットの力が活用されて時間や地理的な制限を超える形で関わることができれば新しい時代のセーフティネットが作られてくると考えています。

社会の価値観の大きなパラダイム変化を不況と呼ぶのであれば、今回の変化は半端無く大きな変化で私たちのビジネスの考え方の根幹から変わるものになると期待します。

インターネットの出現で情報については飽和状態と言われるくらい世の中に溢れました。その状態が数年続いていますので、そろそろ人間の頭の中で何かイメージが出てきているように感じます。情報が知識、知恵に昇華するのに数年かかったと考えた場合に、今まででは考えられないような価値観が生まれてくるようにも感じます。

この大変革の時代にビジネスの場で仕事ができるということを楽しみたいと思います。


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Posted by 森戸裕一 at 08:30│Comments(0)雑感
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