2010年01月04日

学生時代、宿題ってきちんとやっていましたか?

大木さんが仕事の効率的なすすめかたについて情報機器との付き合い方を中心にブログエントリされています。

http://blogs.itmedia.co.jp/tooki/2010/01/2010pc-c2ab.html

同感です。

ただ、大木さんも同じ考え方と思いますが『自分の仕事をきちんとこなす』、『設定したプロジェクト目標を達成する』というという第一優先順位があっての話なのでワークライフバランスを確実になどの話にはならないということです。

自分の業務遂行能力が低いのを棚に上げて、やれプライベートの時間を充実させたい、自分は仕事から離れる時間が必要だなどと言っていると、お客さんにとっても、職場にとって必要ない人になってしまう危険性があります。

決められた時間内に渡された仕事を遂行する能力を日々高める

という前提があって、仕事から離れることができる時間をどれだけ確保していくかということがビジネスプロフェッショナルに求められる考え方ではないかと私は考えています。


業務遂行能力

と言えば、

なぜ、会社では職務規定や行動規範などをつくる必要があるのでしょうか?

自由に仕事をさせておくのが一番良い職場環境のようにも感じますが、組織としての統率を取るために職場にはルールが存在して、社員を縛ろうとします。

それから、備品の購入やコピー枚数の制限など一見仕事に支障をきたすようなことも会社は社員に求めてきます。

そこにISOなどの標準化や品質向上活動が入ってきたり、上場企業であれば内部統制などの活動まで入ってきて、もはや仕事に負荷をかけるような活動が次々に入ってきているようにしか感じないこともあります。

一部の会社には行き過ぎ的な部分もありますが、会社は社員にこれらのすべてのことを考えながらお客さまから求められる品質、納期、コストなどを順守して仕事を仕上げるように求めてきます。

一部の社員は、それに反発したり、最初から無理だと思って無視したりします。

しかし、将来のリーダー候補は「どのようにすれば、会社やお客さまが求めているモノが実現できるのか」ということを考えます。

無理な環境になればなるほど、そのように「どうすれば実現できるのか?」という部分にフォーカスしてモノゴトを考えるようになります。

その思考はどこから生まれてくるか?ということを常々考えています。


お正月に実家などに帰省して、甥や姪に会う機会があり、そこでいろいろなことに気づかせてもらえます。


親から「宿題はしたか?」と聞かれた甥が「やったよ・・・」と答えています。


たぶん、甥なりにはやっているのでしょうが、先生や親が求めているレベルまでやってはいないような答え方です。

宿題というのは甥にとっては非常に面倒なもので、できることならやりたくないものになっています。


そもそも、学校の先生や親は何で子供に宿題をやらせようとしているか?というと、意地悪や虐待のためにやらせているわけでなく、学校の授業の進行の補完だったり、ちょっと負荷をかけることでタイムマネジメント能力を高めさせるため、自分で考えて行動する能力を高めるためににやらせています。

これは以前、欧米の学校は寝る時間もなくなるくらいの宿題を生徒に渡してその中で自分の限られた時間をどのように有効に使うかということを考えさせてビジネスエリートをつくっているという投稿で書いたと思います。

たしかに、私の学生時代を考えても宿題をしてこない同級生や自分なりの宿題に対しての解釈というものを持っていて先生の求めるレベルまでやってこない友人などもいました。

この相手が求めてるレベルではなく、自分で勝手に解釈したレベルまでしか宿題などをやらないという部分の感覚が、今の仕事ができない社員を増やしている根本的な理由のような気もしています。


個性を重んじる教育というのは、自分勝手な解釈で渡された宿題すらもやらないという学生にも優しいように感じます。

自分勝手な解釈が許されるのであれば、もはや仕事にはならないということは自明なんですが、宿題をやらない、やれない子供たちは、困ったことに社会人になっても渡された仕事すらできなくなってしまいます。

無理してでもやろう

という意識が、今までできなかったことができるようになる環境をつくります。


無駄なことはどんどん減らして仕事はシンプルにしていくべきですが、会社全体で必要と感じていることは無理してでも確実にこなして個々と組織の能力は高めるべきです。

宿題を自分勝手に解釈してやっていかない子供の感覚と、仕事を自分勝手に解釈して楽にする社員の感覚は根本的な部分では似ていると感じています。


宿題って何でやらないといけないの?

という子供の素朴な疑問に対して、

お父さんたちも毎日宿題をやっているから、子供のころから渡された宿題の期日(提出期限)、内容(品質)、使える時間(部活の時間や睡眠時間の確保など)などを計算しながら確実にこなせるようになることが重要なんだということを理解させるということが親のつとめのようにも感じます。


ツベコベ言わずに宿題をやりなさい

受験に役立つから宿題をやりなさい

という指導は、


ツベコベ言わずに仕事をやれ

昇給や昇格につながるから仕事をやれ

と日々叱咤されている親からの言葉のようにも感じます。


厳しい言い方になりますが、親の仕事に対しての考え方と子供への勉強の指導の仕方のレベルは比例しているようにも感じます。

勉強しないといけない理由が論理的であれば、子供でも理解できます。

いい学校に入って、安定した仕事に就きなさい

という論理崩壊しているような言い方では、子供も宿題をする意味が理解できません。





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Posted by 森戸裕一 at 02:51│Comments(1)ビジネススキル
この記事へのトラックバック
 森戸さんが、僕のエントリーに言及してくださっています。その中に、こんなくだりが
第1問:ワークライフバランスを140文字以内で記述しなさい【「走れ!プロジェクトマネージャー!」】at 2010年01月04日 06:18
大木さんがワークライフバランスについて書かれていて、その通りと思いつつ、実は別の
ワークライフバランスのバランスは誰が考えるのか【ENIGMA VARIATIONS】at 2010年01月06日 00:41
この記事へのコメント
>その思考はどこから生まれてくるか?ということを常々考えています。

制限、制約こそが人の想像力を刺激するのかな、と最近考えています。
「十七文字ピッタリで季語が必須」という極めて厳しい制約を持つ俳句の世界で次々と名句が生まれていることなどを見ても、そう思います。

もっと言えば「制約を打ち破ろうと試行錯誤するエネルギー」こそ、まさしくその力ではないでしょうか。

どうやら、満たされすぎた環境は人間をダメにするようです。
Posted by ひろ at 2010年01月04日 17:22
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