スポンサーサイト

上記の広告は2週間以上更新のないブログに表示されています。 新しい記事を書くことで広告が消せます。  

Posted by スポンサー広告 at

2008年12月27日

組織に属することで発揮される社員力

不況の中でも頑張って利益を出し続ける企業もありますし、外部環境の影響をモロに受けてしまい業績が悪化する企業もあります。

企業といっても、それは個人の集まりであって企業の違いは社員の違いだけなのかもしれません。

その企業はどのような個人で構成されているのか?

逆境に強い社員
追い風には強いが向かい風には弱い社員

個々の人間の能力には差異がありますし、実際にどのような環境に置かれているかで個人の本当の実力を発揮できるかどうかは違ってくると思います。

平常心で働くことができる職場を作った方がいいのか?
気持ちが高揚するような職場を作った方がいいのか?

これも働く人の特性で変わってきそうです。

学生の就職支援を考えた場合、少なくとも、その個人はどのような場に置かれると本当の実力を発揮できるのかという部分は真剣に考えてあげるべきだと思っています。

これは働く地域を考える場合も、東京などの大都市圏で働いた方が力を発揮できるタイプと親元、地元で働く方が力を発揮するタイプがありそうです。

企業からすると転勤などは厭わないというのが採用するときの評価になるでしょうが、個人としてのキャリアを考えた場合には自分が働く地域というのは慎重に考えるべきだと私は考えています。

それから、個人プレーで仕事をした方が成果を出すタイプか組織として仕事をした方が成果を出すタイプかということも考える必要がありますが、基本的には日本人は後者が向いていると思っています。学生さんなどが「自分は集団で行動するのは苦手です。だから個人で勝負ができる経営者になりたい」と私に言ってくることがありますが、経営者は組織を作る人で、その組織をまとめていくという仕事をする人なので集団で行動することが苦手な人は経営者も苦労するでしょうが、そこで雇われた社員も苦労するということになってしまいます。

人が組織を作るのは、自分だけの力では達成できない成果を求めるからです。

企業というのは、個人の能力を上回る成果を出すために作られたものなので、特に優秀な人間だけを集める必要はなく、組織としての強みを発揮できるようなキャスティングを経営者が考えて、採用した人を組織に組み込んでいくという形になるのではないかと思います。景気に左右されて一時的に忙しくなったり、一時的に発生する仕事だけど将来的には消滅するような仕事に社員をキャスティングするわけにはいきません。

自分は能力が高いと思っている人を採用するときに気を遣うのは、その人材を採用したときに本当に組織としての力は上がるのか?ということです。個人としての能力は少々高くても、他のメンバーに気遣いができない、組織の中の自分というものを自覚できないという人材であれば採用することで組織としての力は下がってしまいます。

学歴はある、能力はあるのに、企業からの内定がなかなか取れない学生などには、そのような話をします。

企業が求めているのは、あなたの個人的な能力ではなく、組織に属したときに発揮される能力です。

職場の仲間と打ち解けることができない、他のメンバーと情報共通ができないなどの問題を抱えた社員は、どの職場に属しても同じような状況(孤立する)になってしまい職場を離れていきます。


職場で学習するということの本質は、ビジネス書を読んだり、情報を集めたりすることとは違う部分の実践というものを伴う必要があるわけで、仮説をたて、行動して、結果から学び、仮説を立てる精度を高めていくということになります。ワークプレイスラーニングは、まず行動しろ!ということから始まります。

今日も、会社には「自ら行動して自分の就職観を明確にしようとしている」BizPASSトップゼミの学生スタッフが集まって、イベントの打ち合わせをしています。

彼らには、個人の人間力ではなく、組織に入ったときに発揮される社員力をしっかりと磨いてもらいたいと思っています。  

Posted by 森戸裕一 at 11:51Comments(0)就職観