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2009年11月06日

逃げない強さ

昨日、九州工業大学でキャリア形成についての講座を行いました。

キャリアについての考え方はいろいろあると思いますが、理科系である程度の知識レベルを持っている大学生に何を伝えればいいのか?ということをいろいろと考えました。

理科系であるということは少なくとも論理的な思考は苦手ではないはずです。
(そもそも人間の脳は論理的な仕組みなので本来は論理的な思考が苦手な人というのはいないはずで、苦手と思っている人がいるだけと私は思っていますが・・・)


今回のキャリアセミナーで強調したのは、就職活動自体に勝ち負け、人生にも勝ち負けというのは無く、一般的に勝つのが正しくて、負けるのは悪いことだというのは、例えば競技スポーツの価値観ではないかということです。

競技スポーツの世界でも「負ける」中で人間として学ぶことは多いように感じます。


流れとしては情報化社会と呼ばれる現代の矛盾を話をして、そこから見えてくるこれからの人間の生き方という話を最初にしました。

人よりも早く情報を得て、人を出し抜き何事も有利にモノゴトをすすめる

ということが本当に勝ちなんだろうか?

ということも話をしました。

その行動は一定期間は優位性を保つことができますが、大学生くらいの時期に気付かないといけないことを気付くことなく社会に出てしまうような危なっかしさを感じてしまいます。

内容が無く生きる、内容が無く勝つのではなく、一定期間は負けているような状態でもそこで必死に考えて意味を理解できるようになれば、そちらが価値のある生き方ではないかと考えています。


九州工業大学の学生は大学院に進む学生も少なくありません。
だから、院に進む意味ということも就職活動という中でつかむように話をしました。

今の若い人たちは社会から過保護に育てられてきているので変化に弱いのと創造性に欠けているということも言えます。これは家庭的に貧しくても、うちの親は厳しかったなどと言っても同じような性質を持っているように感じます。

厳しい局面になったり、大きな困難を抱えたりすると決まって自分の殻(カラ)に閉じこもってしまいます。

嵐が過ぎ去るのを待っているような雰囲気なんですが、実際は問題は何も解決できていません。

都合が良いときだけ受ければいい携帯電話という便利な道具が普及したせいなのか、安定を求める社会の中で危険なことからすべて保護されて生きてきた結果なのか、豊かな環境で育ってきた若者は都合が悪くなると外部との関係性を一時的に閉じるということで、なんとかやり過ごそうとします。

実はそこが一番の成長の機会になるということを知らずに、そのチャンスから逃げてしまいます。


大学院に行くから就職活動という自分の人生の方向性を考える、職業観を見出す機会を逃すというのはもったいないとも話をしました。

就職活動にしてもテクニックを教えるつもりはありません。

テクニックという小細工で希望する会社に入れたとしても、小細工を使ったという時点で悪い癖が身についています。

どんなに困難な状況になっても逃げない

という強さを持つとどのような会社に入っても、どのような職業についても、どのような局面になっても自分力で何とかしよう、周囲に協力を仰いでも成功させようという強さを持つことができます。




  

Posted by 森戸裕一 at 10:22Comments(0)人材育成