2009年02月22日

自社経営と他社経営支援の両面を担当して思うこと

経営という仕事と経営支援という仕事の両方をやっています。

経営というのは当然のごとく自社の経営のことを指しています。

経営支援というのは当然のごとく他社の経営へのアドバイスや部分的なアウトソーシングを指しています。


どちらが難しいか?

ということを聞かれることがありますが、これは簡単には比較できません。

自社の経営の難しさは、自分が積極的に関与しなくても社員個々が自分たちで考えて行動できるような仕組み作りの際に、経営者自身の位置づけをどのように示すのかという難しさがあります。社員と同じ仕事をやっているだけでは経営者としての仕事をやっていることにはなりません。自社の価値を高める仕組みというのを考えて、それを社員でも理解できるようにシンプルに表現して、個々の社員の役割などを明確にしてあげる「これならわかる」「これならできそうだ」と思ってもらえるレベルまでブレイクダウンしていくことが重要になります。

他社の経営に関わる難しさは、先方の会社の社員の人たちに最初はまったく信用されていないということです。いろいろな施策提案をしても基本的には信頼されていませんので本心でついてきてはくれません。これは営業の仕事も同じようなことが言えますが、信頼関係つくりというものをきちんとやってから次のステップにいかないと、いくら論理的には正しいことを言っても相手は行動するレベルまで信頼していませんので、結果は出ません。

これについては繰り返しでも論理的に説明していくしかありません。
その会社の業績が伸びない状態であれば非論理的な仕事の仕方になっているというのが一番の原因なので、権威的にモノを言ったり、変にすり寄っていっても根本的な解決にはなりません。こちらが相手の頭を整理してあげて、それだったらできそうだという感情をわかせるしかありません。

それでも最初の発火点を探さないと他の会社の支援は難しいと感じます。だから、最初は発火点になることができる社員をピックアップして企業の変革リーダーとして集まってもらって、そのメンバーを中心に研修を行ったり、ワーキンググループを立ち上げたりします。強い気持ちを持っているが組織構造が活性化していないくてモヤモヤしている社員を集めて火をつけるというやり方です。

閉塞感のある組織で仕事をしている人の多くは、組織が閉塞感があるだけで自分がその閉塞感を作っている一員であるという自覚は無い場合が多いようです。基本的に人は弱い動物なので自分が前面に立って組織を変革しようなどと考えることはしないのではないかと思います。ただ、最初に火をつけるための着火用のメンバーは内面でメラメラと強い気持ちを持っている人でないといけないように感じます。

個人商店的な仕事の仕方をしていて、個人商店主としてのプライドがある社員は着火剤になります。ただ、個人商店的な動きが周囲と協調できない自分勝手な動きだったり、向上心が無かったりした場合は消火剤になってしまう場合もあります。

組織の問題は自分の問題と考えられる人材

このような人材を採用する、育てていくことが求められています。

自分の人生と周囲の環境の接点を見出す、自分の人生とは自分によって作るのではなく周囲によって作られるのだ

ということを腑に落とさせることからコンサルティングは始まります。

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Posted by 森戸裕一 at 14:58│Comments(0)組織改善
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