競争をしないことでうまれてきた弊害

森戸裕一

2010年04月18日 05:36

人間も動物であり、自然の中では食物連鎖などの循環の中に入っているのですが、ただ、自然界の法則から少し外れた動きをしているので、自然のバランスが崩れている。

ということを、お聞きしました。


自然界の動物は、肉食であれ草食であれ自分が生きていくだけの食物を食べて生きていて、それ以上の食欲を出すと食物連鎖のバランスが崩れて最終的には自分たちが食べれない状況になり危機的な状況になるということを知っているということでした。

しかし、人間はビジネスという形で必要以上の食物をつくり、加工して、必要以上に摂取して体調まで壊しているという、他の動物とは違った欲の部分で自然界の法則をどんどん壊し続けている。

ということであれば、非常に嘆かわしいことだと感じます。

自然界と共存していくためには、自分の分をわきまえ生活をしていくことが重要だということを再度、考える機会をつくらないといけないようにも感じています。


このような生きていくために最低限の食物を摂取してバランスを保つということとは別に、生き続けていくためには競争を勝ち抜くという「種」としての基本的な能力を維持するということも重要のように感じています。

自然界でバランスをとるためには数のバランスというものもありますので、地球上に存在する人の数というものにも最適の数というものがあるはずです。

数が多くなりすぎると自然減の方向に動き、数が少なくなってくると自然増という方向に動いていくのが自然の摂理だと思います。

その自然増減の根本には「種」としての競争能力の優劣があり、競争能力が高い種が残っていくということで厳しい自然に対抗してきたのではないでしょうか。


どうも、日本の教育が競争というものを避けるようになってきて、平等ということに注力しすぎた結果、競争というものを避けすぎる傾向がある若者が増えているように感じています。

競争が激しいビジネスの世界よりも、社会起業やボランティア的な活動に異常に興味を持つ学生も増えてきています。社会起業やボランティアの世界は提供する価値と資本主義的な観点での対価という部分では矛盾も多く、継続していくためには非常に高い志と優れたビジネス能力が必要とされるのですが、競争を避けたいという意識から流れてきている若者では対応できないことも多い世界です。

勉強の世界で差をつけない、可視化しないようにしたいということが、スポーツの世界でも趣味の世界でもと過剰に反応してきたことで、競争に勝ったことでの達成感、仲間と頑張って成果を出したときに出てくる連帯感などを感じたことがない人たちも出てきて、叱られる、誉められるなどの経験も少なく、モチベーションの維持も難しい状況になってきています。

自然界には競争がある
種としての競争は避けれない

ということを忘れてはいないのでしょうが、自然界の法則から外れてくると弊害もいろいろと出てきます。

非常に厳しい状況がうまれています。

自然に競争するという場をどのようにして生み出すか?

ということを学生NPOの支援では考えています。

自分勝手に自分に都合よく解釈する

衝突を避ける学生に、自分の都合よくはならないということを教えるのも私たちの役割と思っています。




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