情報化時代が抱える大きな課題

森戸裕一

2008年11月02日 23:59

情報化・知識化時代となり、さまざまな情報が簡単に入手できるようになっています。

ただ、その弊害も大きいように感じています。

簡単に情報が入手できることから、考えるということができなくなったということが言われています。

情報を知っている

ということから、

その情報を活用できる

ようにならないとビジネスであまり意味がないのですが、雑学的に知っているというレベルで満足してしまう人たちが増えています。逆に、知っている知らないということが議論になって、知らないと恥ずかしいという雰囲気もあります。

これについて考えてください

という指示を出しても、インターネットなどで調べるだけで自分の頭を使って考えるということができないというのは問題があります。

また、簡単に情報を入手できることから知的好奇心が失われてきたとも言われます。

人間が積極的に考えるという行為を行うためには、ある程度の枠組みとちょっとしたブラックボックス(見えない部分)が必要なのかもしれません。

枠組みがなくなってしまうと考えないといけないことが無限になってしまいます。その途端にあきらめてしまいます。

ちょっとしたブラックボックスがないと、自分から足を動かして調べようとはしません。簡単に調べることができるとワクワク感もなくなってしまいます。

情報が氾濫してしまって私たちは新たな仕組みを考えていかないといけないようになっています。

情報が多いので悩んでしまう
情報が多いのであきらめてしまう
情報が多いので無感動・無関心になってしまう

そのような状況の中で、人材をどのように育成していくのかということを考えています。

会社の戦力として育てる

という意味も変わってきています。

仕事の質的な変化も大きいと思っています。

営業にしても、企画にしても、開発にしても、単純な動きではなく、個々の社員がしっかりと考えて価値を創造していくような仕事を求められ始めています。営業と言う仕事はこのような仕事だ、企画というのは、開発とは、などと簡単には言えなくなってきています。すべてがサービス業と呼ばれるような形になって情報交換(コミュニケーション)を行って価値を作り出さないといけないという中で、社員は考えるということを求められています。

そのような仕事の質の変化が、精神的なバランスを失ってしまう社員を増やしているということも言われています。

人材育成というのは企業の戦力アップのためという最終的な目標はあるとしても、仕事の質の変化への対応できる能力をつけるという教育をやっていかないと企業は大きな問題を抱えるようなことになりそうな気がしています。

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