2014年08月06日

なんで残業が減らないのか?

ワークライフバランスについて講演などを頼まれることがありますが、仕事と家庭(プライベート)のバランスを保つためには無理に定時で仕事を切り上げるという考え方よりも、仕事の進め方をどのように変化させることができれば時間が短縮できるかということを考えた方が会社も社員もWinWinになりそうです。

事前に時間が決まっている仕事(例えば工場のラインなど)であれば、その時間内で生産性をどれくらい上げるかということに集中できます。残業するとその時間が生産コストとなってしまいますので、限られた時間内で知恵を絞って生産性向上につとめます。

では、限られた時間内で生産性を上げるという考え方が難しい職種と言えば、

 営業や管理職

などが頭に浮かびます。

突発的な仕事、相手がある仕事などは、なかなか自分の力だけでは生産性向上などとはいきません。
逆に生産性を上げても結果が伴わなかったら、行動量を更に上げてという形になりやすいのは営業職ですし、それをフォローする管理職などは当然、自分の思うような形で仕事は進んでいきません。

人がやっている仕事なので、業務遂行能力も様々で、更にチームになるとコミュニケーションなどに難があると更に生産性は落ちていきます。

誰がやっても同じような成果を出せる、周囲がやっている仕事の意味や進捗が見えるようになる仕組みがつくれないか?ということで、私たちIT関連のサービスをやっている企業にはいろいろと相談が来ます。

なんで残業が減らないのか?

しかし、グループウェアやイントラネットなどの仕組みを入れると、会社の中がうまくまわっていないということが可視化されるので、更にモチベーションが下がってしまいます。

さて、どうすればいいのでしょうか?

プロセスマネジメント大学の野部学長は、以下のようにコラムに書かれています。

ピーター・F・ドラッカーは、
「企業が経営戦略を実行する上で必要な要素は、『資源』『プロセス』『価値基準』である」と言っています。

営業部門に置き換えて分かりやすく言えば、「人」「仕組み」「ビジョン」が営業部門を強くする上で必要だというわけです。「人」を大切にし人材育成に力を入れている会社もあれば、企業理念や中期経営計画など「ビジョン」を明確にしている会社もあると思いますが、「仕組み(プロセス)」づくりが後回しになっているという会社も多いのではないでしょうか。

米国での調査によれば、業績があがらない要因の中で、「能力が足りない」とか「報酬や評価がない」といった要因以上に、「仕事の進め方が分からない」とか「目標や役割の認識不足」といった要因の方が主要因となっているという結果が出ております。

実際、営業においても結果ばかりを求めるがゆえに、仕事の進め方が曖昧になったり、目標や組織の中での役割が曖昧になったりして、業績が向上しないというこ とがあります。だからこそ、業務の進め方をプロセスに分解し、組織の中での役割を明確にし、組織で目標を達成することが大切なのです。だからこそ、「プロセスマネージメント」に1社でも多くの企業に取り組んで頂き、業績向上、目標達成に向けて成果を出して頂きたいのです。

そもそも「分解」という漢字は、<分ければ、解る>って書くでしょ。逆に言えば、分けなければ分からないわけですから。


ITなどのツールに頼る前に、仕事の進め方を分かるようにして、自分の役割認識を明確にするという基本に戻ることが重要なのではないでしょうか?


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Posted by 森戸裕一 at 08:12 │組織改善人材育成