2008年09月30日

優秀なマネージャーの育て方

もし自分の部下が非常に優秀で、自分が指導しなくても勝手に考えて行動して成果まで出してくれるとすれば・・・

労力的には非常に楽(らく)ですが、マネージャーとして自分が成長する機会は得ることができないような気がします。

日本でも雇用は流動化してきており、若い人材を中心に転職などにためらいがないようになってきています。

ただ、先日も述べましたが日本ではマネジメント層が育っていないということが言われます。

そのマネジメント層をどのような形で育てるかということを考えた場合に、様々な環境でマネジメントを経験させる方がいいというのが当然の結論になるのではないかと思います。ただ、紋切型でどの組織も同じような組織風土で動いている超大手企業や公的機関などではジョブローテーションしても、あまり新鮮な経験はできないように感じます。

なぜ、そのように感じてしまうのでしょうか?

答えとしては、そこの社員や職員がもともと採用時から学力的に優秀なので「その会社の先輩が作ってきた風土をきちんと受け継いでいる」のではないかと思います。だから、どの組織に異動になっても同じようなマネジメントで通用します。どちらかというとマネージャーの力ではなく、組織全体の力としてうまくいっているような状況です。

野球で言えば、もともと能力が高いエリート集団のような巨人しか経験していない選手が監督になってエリートが揃っている巨人で指揮をとっても大味な野球でも勝てるので監督としてはあまり成長できないように感じるのと同じではないかと思います。

先日、ソフトバンクホークスの監督を辞めると決断されました王監督も、巨人時代には経験したこともないような状況の球団(ダイエーホークス)の監督を引き受けて非常に苦労されながら監督業というもののひとつひとつを学んでいかれたのではないかと思います。巨人の監督を解任された後も、同じように巨人の監督しか引き受けていらっしゃなければ見えなかったことが多かったのではないかと思います。

次世代を担うリーダーやマネージャーを育成していくというのは各企業の大きな課題で、その育成の手法は様々ありますが、やはり自分より能力が低い部下のマネジメントを経験して、

1+1を3~5にする

体験をしないといけないのではにないかと思います。

大手企業や公的機関では、

1(本当は1.5)+1(本当は1.5)=3(2人で3人力)

のようにマネジメントしないでも発揮される個々の社員の潜在的な優秀さ(1に見えるが本当は1.5)で組織としての力を引き出しているように感じる錯覚(1.5+1.5=3)に翻弄されることなく、個々の能力の加算を乗算くらいの結果に持っていくマネジメント力がリーダーには求められています。

組織として終焉を迎えている組織は、

(1+1)×0.5(マネジメント力)=1(2人で1人力)

ということで、マネージャーが組織力を引き下げていることもあります。

本当は、

(1+1)×1.5(マネジメント力)=3(2人で3人力)

という形にしないといけません。


楽天の野村監督などは、阪神や楽天で、

(0.5+0.5)×3=3(2人で3人力)

ということをやっているように感じます。

正確にいうと、

((0.5→1.0)+(0.5→1.0))×1.5=3(2人を育ててマネジメントして3人力)

ということかもしれません。

怒りながら育てるのか、誉めながら育てるのか

その個々の人材の特性によって判断をしないといけない部分ですが、自分よりも能力があきらかに低い人材の組織力を引き上げるためには誉める回数をあげることがポイントになると思います。


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Posted by 森戸裕一 at 13:38│Comments(0)人材育成
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