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2009年01月05日

経営者という職業を考える

経営者が社員に対して「経営者的視点でモノゴトを考えろ!」というのは理解できますが、「経営者の気持ちになって考えろ!」というのは無理ではないかと思っています。

「経営者的な視点」というのは、広い視野でモノゴトを考えろということであって、会社経費など細々したところを気にしろという訳ではないと思います。だから視野を広く持て!ということが社員に伝わるのであれば、この言葉でも大丈夫と思いますが、コミュニケーションの難しいところで伝えても相手(社員)が理解しているとは限りません。

「経営者の気持ち」ということになると、これは経営者個々で考え方も違いますし、経営者になった経験の無い社員にしてみれば経営者がどのような気持ちで仕事をしているのかはわからないと思いますので難しいと思います。
正月の番組でシアトルマリナーズのイチロー選手が年間200安打を8年連続で達成したことに対して「年々、明らかに精神的なハンディキャップを背負ってしまっている。精神的に強くなっているどころか、逆に弱くなっている可能性がある」と言っていました。毎年、ギリギリのところで勝負していることで、そのハードルの高さを知ってしまい逆に達成できないイメージまで湧いてしまうということで「怖くなってしまうということもある」ということらしいです。
外から見ると、そのようなイチロー選手の内面の気持ちはわかりません。

また、8年連続でシーズン200安打というのは大リーグでも1人しか達成していないということに対して「自分は長い大リーグの歴史の中でも1人しか達成できていない記録に挑戦してきた。しかし、チームとしての成績は出ない中で最後までモチベーションを保てない選手もいた。そのような人たちに孤独に記録への挑戦をしている自分の気持ちが分かる訳もないでしょう。そのことを考えると孤独だなと感じることもありますよ」と答えていました。

解釈はいろいろとあると思いますが、感覚的なものですが、孤独を感じることがあるという部分では多くの経営者の気持ちに近いものはあるかもしれないと感じました。
ただ、本来、経営者の立場というのはプロ野球の球団だったらオーナーや監督の立場になります。経営者は社員がモチベーションを下げていたら、その社員に働きかけてモチベーションを上げる必要があります。そのような細々したことに気をかけながらも、自社のミッションに基づき経営目標を達成するのが経営者の仕事です。また、事業資金が足りなければ金策に走ることも社員には黙っておこなわないといけません。
経営者は社員の生活の保障や社員の成長支援、資金繰りなど様々なことを考えながら孤独と戦いながら仕事をしています。経営者の仕事は日々決断するという仕事なので、誰にも相談はできません。最終的には自己責任です。

この数年間の間に中小・中堅企業を中心に全国で経営者向けセミナーなどをおこなってきました。企業経営者だけは本当に精神的に強い人間しか出来ない職業と感じています。

そのような職業は、今の時代でも憧れの職業なのでしょうか?
やはり、最近の経済状況の影響もあるでしょうが、このような厳しい職業に就きたい(起業したい)という人は減っているようです。逆に経営者の本当の仕事の内容を知らずにサラリーマンという集団での仕事に適応できない人が経営者という仕事に憧れているようにも感じます。社会に価値を提供する価値を最大化するということであれば、企業の中でもそれは実現できます。では、わざわざ起業する意味は何なのか?ということを考えないと大きな負債を背負うことになります。

サラリーマンはサラリーマンで、性格的に合わない同僚や嫌いな上司や厳しいお客さまの対応に翻弄され、本当にパラダイスのような環境で仕事をしている人はほんの一握りです。ほとんどの人たちは、職場や社会で孤独を感じながら仕事をしているのではないかと思っています。それはそれで辛いことです。ただ、そのサラリーマンの孤独というのは自分の力で解消できるのでは?とも思います。
自分のちょっとしたプライドや拘りの部分を見つめなおすと職場における周囲との関係性は意外と簡単に変わります。自分の力が足りないことで成果が出ずに行き詰まりを感じているのであれば周囲に頼ればいいだけです。自分だけが孤立することなく周囲と協力して仕事をすればほとんどの問題は解決します。

では、経営者も自分の孤独を回避するための社員と同化していったら?

立場的に同化できるはずはないですし、逆に同化してしまったら経営者が経営者の仕事をしないということになりますので社員が路頭に迷うことになってしまうかもしれません。



まあ、正月だったので時間的な余裕も少しあり頭の中でいろいろなことを考えながら休暇を過ごしました。


今日から仕事始めです。

社員の皆は、1日前の昨日から出勤して頑張ってくれていますが、経営者の私はそんな社員に感謝しながらも苦言を言いながら「昨日よりも今日」、「今日よりも明日」と成長していってもらえるように、経営者視点で仕事の改善ポイントを指摘していかないといけません。
100年に1度の不況だと言っても私も含めて社員の誰もそんな不況は経験したことは無いです。だから、経営者が一番心配症になってリスクをすべて取り払うしかありません。社員にまで心配してもらう必要はありません。経営者は経営者の仕事を愚直にこなしていくだけです。

敗軍の将 兵を語らず

と言いますが、会社を赤字にしてしまった、会社を倒産させてしまった、という状況になって戦略や社員のことをいろいろ言うのは潔くありません。
経営者として会社を経営を任せられている段階できちんと自分の会社がうまくいくように戦略を立てて社員の行動などに苦言を呈してでも彼らの成長と会社の健全経営のために頑張らないといけません。自分が悪者になってもお客さまへ提供する価値の最大化のためにマネジメントをやるべきです。社員は会社を去ることができても、経営者は最後まで責任をとらないといけません。それだけの覚悟が必要な職業です。

年末、年始は派遣労働者の状況についてたくさんの報道がありましたが、中小・中堅企業の経営者も不安な年末・年始だったのではないかと思います。



ワイキューブの安田社長のセミナーです。
非常におもしろい視点でセミナーされています。


さて、皆さま、今年も当社をよろしくおねがいします。
少しでも全国の企業経営者の方々に価値を感じてもらうサービスを創り出していきたいと頑張っています。  


Posted by 森戸裕一 at 00:15Comments(0)雑感