2009年07月12日
一般企業が1ケ月かかる仕事を1週間でやり遂げる
サイバー大学の事務局長としていろいろとお世話になった大木さんが7月末に著書を出されます。
ソフトバンク流「超」速断の仕事術―1か月かかる仕事を1週間でやり遂げる!
大木 豊成 (著)
出版社: ダイヤモンド社 (2009/7/31)
ISBN-10: 4478009201
ISBN-13: 978-4478009208
発売日: 2009/7/31
価格: 1500円
大木さんがソフトバンク時代に経験されたプロジェクト(「Yahoo!!BB」や「おとくライン」など)から学ばれた仕事の進め方を紹介されているようです。
サイバー大学の立ち上げプロジェクトなども間近で見ていましたがソフトバンクさんの仕事の進め方というのは普通の会社ではありえないスピードで進んでいきます。彼らは自分たちの強みをしっかりと理解して仕事に臨んでいるということがよくわかります。
当社では全国の中小企業から超大手企業まで組織改善や営業組織改革などのお手伝いを行っていますが、組織の意志決定とその組織の意志決定に沿った形での社員の動きということでいうとソフトバンク社のスピードは抜きんでいます。
社員の能力が大きく違うか?というと大差はありませんし、超大手企業と呼ばれている企業の社員の方が地頭は良いような感じもします。
しかし、ほとんどの企業の社員は「○○というのはわかっているんですけど~」という、わかっているけど動かない理由を延々と述べてしまいます。
誰から教えられたかわかりませんが、頭ではわかっているのですが行動できない理由というのを述べるということが多くの企業では普通になっています。一般社員が当たり前のように「できない理由」を論理的に述べていきます。ほとんど見事という論理展開です。
「そこまでわかっているんだったら、頑張って変えましょうよ!」
と言うと、
「それができれば苦労しないんですけどね・・・」
と返してきます。
(君は何のために働いているんだ!!)
という言葉は飲み込み、にこやかに
「では一緒に考えましょう」
という言葉で返していきます。
日本という国は非常に豊かで仕事が無くても生活保護をもらえて贅沢をしなければ食べることはできます。普通に働いていれば自家用車などを持つことも可能です。暑ければ冷房が入っている空間に行くことができますし、寒ければ暖房が入っている空間に行くこともできます。
しかし、普通にしてれば食うに困らない日本という国は年間3万人超という自殺者を生み出しています。
食べることができなくて困ってというよりも、普通以上の生活を送っている人たちが自分を追い込んで自分で自分の人生を閉じてしまうという不幸なことがおきてしまっています。
そのようなことが、なぜおきてしまうのか?
ということを考えていると、企業に働いている人たちの、
「それができれば苦労しないんですけどね・・・」
という言葉を思い浮かべてしまいます。
基本は会社から雇われているわけなので、シンプルに会社の方針に従って会社の目標が達成できる動きができればよいのですが、会社の方針に異議を唱えることに必死になったり、自分の動きを正当化するために必死になったりします。
そんな人も、リストラ対象などになって会社から早期退職などの話が出ると態度が急変します。
自分は会社のために頑張ってきた
内面ではそう思っていたのでしょうが、周囲はそうは感じていません。
自分がどう思っているということよりも、相手にどう思われているのかということを優先しないと仕事もできませんし、正当な評価もされません。
そのシンプルなビジネスのルールを忘れてしまった結果のリストラなので、受け入れるしかないのですが、そうなると自分の生き方が否定されたように感じてしますのでしょう。
その結果、不幸なことになってしまいます。
情報化・知識化と言われる現代は、ビジネスのスピードが従来の数倍のスピードになってきています。そこで働く人たちの意志決定や行動のスピードも時代の流れに合わせないと価値が無いものになってしまいます。
そのようなスピード社会が幸せかどうか?
ということを議論しようとしているのではありません。それに合わせないと結局は不幸な結果になってしまうような世の中に自分たちでしてしまったということを受け入れるしかないということです。
地方行政のあり方や地方都市のこれからの生き方
などについても議論されていますが、全国がネットワーク化された時代に地方都市だけが従来の意志決定のスピードと論理で生きていけるはずはありません。地方都市の方々が好むスローライフが可能になる環境を確保するためには行政機関などは超スピード判断をしていく必要があります。
住民がスローライフを望んでいるので、環境整備を担当する行政もスローでという今の状況ではうまくいくわけもありません。
では会社は?
ということになりますが、勘違いしてはいけないのは、社員のスローライフを確保するために経営陣は意志決定を速くしているのではなく、お客さまへの最大の価値提供のために経営陣から一般社員までが一丸になってスピード感を出して対応するということが必要になっているということです。
経営陣と一般社員がどっちが正しいか?
などを社内で議論している時間があれば、社会に提供する価値を最大化するための行動をしないといけないということです。
ソフトバンクさんの経営には市場からもいろいろな意見が出ているのは知っています。
しかし、日本の企業の社内閉塞感、平和な日本の自殺者数の増加などを見ていると病巣は「変わりたくない」という安定思考のサラリーマンの深層心理のような気もしています。
就職して定期的に給与を支給されていると、ついついその環境が当たり前と感じてしまいます。
そして、その安定した(?)環境が変化することに対して敏感になってしまいます。
給料は下がらない
会社はつぶれない
自分の地位は確保されつづける
というのは特殊な時代(高度経済成長期)の生み出した大きな勘違いで、今の親世代も知らず知らずにそのような概念で働いていて、自分の子供たちにもそのような概念を伝えています。
本来であれば時代は大きく変化しているので、時代の変化に合わせることができる柔軟な発想を持った人間に育てなければいけないはずなのに、まだ、
一生懸命に勉強してよい学校に入って、安定した会社に入社する
ということが一番という話をしている親が多いのが日本の大きな問題なのかもしれません。
このようなことを一生懸命に伝えている親が、会社では会社の方針に異論を唱え、自分のスタンスを正当化しながらも、リストラに怯えているというのが現状ではないかとも感じてしまいます。要は、社会人になってからどのような働き方をするために学校で何を学ぶかが重要であって、よい学校に入ったのであれば選択肢は増えていると思うので、自分が選んだ(腹を括った)会社で自分の能力を最大限に発揮する覚悟を決めるということではないかと思います。
そろそろ、親も現実を受け止めないといけない時代になっていますし、ゆとり世代と呼ばれる人材を採用しはじめた企業も「できない理由を論理的に述べる」という社風を変えないと「ゆとり世代」にも見限られる時代になってきています。
伸びているベンチャー企業の経営陣の意志決定と社員の行動のスピードは驚異的です。
ベンチャー企業すべてがそうだと言っている訳ではありません。
企業で指示されたことも満足にできなくて独立した人が創った個人事業的な会社ではなく、企業の意志決定のスピードや社員の動きのスピードがスローモーションのような感じて渡された仕事などは簡単にできてしまう。その仕事に付加価値をつけて大きな成果を出してしまう。的な仕事を簡単にやりとげる人が独立して創った会社などは、驚異的なスピードで駆け抜けていきます。
そこで働く社員は大変ですが、それに慣れれば大きな仕事ができるようになります。
1か月かかる仕事を1週間でやり遂げる
これは、ソフトバンクさんの仕事を見ていると本当にできるんだなと感心してしまいます。
全社でやっているというよりも、全社から選りすぐられた精鋭部隊が新規事業の立ち上げ屋として次々に事業部を転々として実現しているというのが正しい表現と思います。
世界遺産学部だけで立ち上げ予定だったサイバー大学にIT総合学部が付加されて文部科学省から認可された一連の仕事の流れを見ていても、中央官庁を相手に見事という仕事の進め具合でした。
そういえば、国土交通省を相手に新規航空会社としてスカイマークを認可させたHISさんの仕事具合も同じように見事でした。
やはり伸びているベンチャー企業の経営陣、社員の「達成不可能と思っているのは自分だけであって、別に目の前の目標は達成不可能な目標ではない」という意識が大きな成果に結びついていると感じています。
ソフトバンク流「超」速断の仕事術―1か月かかる仕事を1週間でやり遂げる!
大木 豊成 (著)
出版社: ダイヤモンド社 (2009/7/31)
ISBN-10: 4478009201
ISBN-13: 978-4478009208
発売日: 2009/7/31
価格: 1500円
大木さんがソフトバンク時代に経験されたプロジェクト(「Yahoo!!BB」や「おとくライン」など)から学ばれた仕事の進め方を紹介されているようです。
サイバー大学の立ち上げプロジェクトなども間近で見ていましたがソフトバンクさんの仕事の進め方というのは普通の会社ではありえないスピードで進んでいきます。彼らは自分たちの強みをしっかりと理解して仕事に臨んでいるということがよくわかります。
当社では全国の中小企業から超大手企業まで組織改善や営業組織改革などのお手伝いを行っていますが、組織の意志決定とその組織の意志決定に沿った形での社員の動きということでいうとソフトバンク社のスピードは抜きんでいます。
社員の能力が大きく違うか?というと大差はありませんし、超大手企業と呼ばれている企業の社員の方が地頭は良いような感じもします。
しかし、ほとんどの企業の社員は「○○というのはわかっているんですけど~」という、わかっているけど動かない理由を延々と述べてしまいます。
誰から教えられたかわかりませんが、頭ではわかっているのですが行動できない理由というのを述べるということが多くの企業では普通になっています。一般社員が当たり前のように「できない理由」を論理的に述べていきます。ほとんど見事という論理展開です。
「そこまでわかっているんだったら、頑張って変えましょうよ!」
と言うと、
「それができれば苦労しないんですけどね・・・」
と返してきます。
(君は何のために働いているんだ!!)
という言葉は飲み込み、にこやかに
「では一緒に考えましょう」
という言葉で返していきます。
日本という国は非常に豊かで仕事が無くても生活保護をもらえて贅沢をしなければ食べることはできます。普通に働いていれば自家用車などを持つことも可能です。暑ければ冷房が入っている空間に行くことができますし、寒ければ暖房が入っている空間に行くこともできます。
しかし、普通にしてれば食うに困らない日本という国は年間3万人超という自殺者を生み出しています。
食べることができなくて困ってというよりも、普通以上の生活を送っている人たちが自分を追い込んで自分で自分の人生を閉じてしまうという不幸なことがおきてしまっています。
そのようなことが、なぜおきてしまうのか?
ということを考えていると、企業に働いている人たちの、
「それができれば苦労しないんですけどね・・・」
という言葉を思い浮かべてしまいます。
基本は会社から雇われているわけなので、シンプルに会社の方針に従って会社の目標が達成できる動きができればよいのですが、会社の方針に異議を唱えることに必死になったり、自分の動きを正当化するために必死になったりします。
そんな人も、リストラ対象などになって会社から早期退職などの話が出ると態度が急変します。
自分は会社のために頑張ってきた
内面ではそう思っていたのでしょうが、周囲はそうは感じていません。
自分がどう思っているということよりも、相手にどう思われているのかということを優先しないと仕事もできませんし、正当な評価もされません。
そのシンプルなビジネスのルールを忘れてしまった結果のリストラなので、受け入れるしかないのですが、そうなると自分の生き方が否定されたように感じてしますのでしょう。
その結果、不幸なことになってしまいます。
情報化・知識化と言われる現代は、ビジネスのスピードが従来の数倍のスピードになってきています。そこで働く人たちの意志決定や行動のスピードも時代の流れに合わせないと価値が無いものになってしまいます。
そのようなスピード社会が幸せかどうか?
ということを議論しようとしているのではありません。それに合わせないと結局は不幸な結果になってしまうような世の中に自分たちでしてしまったということを受け入れるしかないということです。
地方行政のあり方や地方都市のこれからの生き方
などについても議論されていますが、全国がネットワーク化された時代に地方都市だけが従来の意志決定のスピードと論理で生きていけるはずはありません。地方都市の方々が好むスローライフが可能になる環境を確保するためには行政機関などは超スピード判断をしていく必要があります。
住民がスローライフを望んでいるので、環境整備を担当する行政もスローでという今の状況ではうまくいくわけもありません。
では会社は?
ということになりますが、勘違いしてはいけないのは、社員のスローライフを確保するために経営陣は意志決定を速くしているのではなく、お客さまへの最大の価値提供のために経営陣から一般社員までが一丸になってスピード感を出して対応するということが必要になっているということです。
経営陣と一般社員がどっちが正しいか?
などを社内で議論している時間があれば、社会に提供する価値を最大化するための行動をしないといけないということです。
ソフトバンクさんの経営には市場からもいろいろな意見が出ているのは知っています。
しかし、日本の企業の社内閉塞感、平和な日本の自殺者数の増加などを見ていると病巣は「変わりたくない」という安定思考のサラリーマンの深層心理のような気もしています。
就職して定期的に給与を支給されていると、ついついその環境が当たり前と感じてしまいます。
そして、その安定した(?)環境が変化することに対して敏感になってしまいます。
給料は下がらない
会社はつぶれない
自分の地位は確保されつづける
というのは特殊な時代(高度経済成長期)の生み出した大きな勘違いで、今の親世代も知らず知らずにそのような概念で働いていて、自分の子供たちにもそのような概念を伝えています。
本来であれば時代は大きく変化しているので、時代の変化に合わせることができる柔軟な発想を持った人間に育てなければいけないはずなのに、まだ、
一生懸命に勉強してよい学校に入って、安定した会社に入社する
ということが一番という話をしている親が多いのが日本の大きな問題なのかもしれません。
このようなことを一生懸命に伝えている親が、会社では会社の方針に異論を唱え、自分のスタンスを正当化しながらも、リストラに怯えているというのが現状ではないかとも感じてしまいます。要は、社会人になってからどのような働き方をするために学校で何を学ぶかが重要であって、よい学校に入ったのであれば選択肢は増えていると思うので、自分が選んだ(腹を括った)会社で自分の能力を最大限に発揮する覚悟を決めるということではないかと思います。
そろそろ、親も現実を受け止めないといけない時代になっていますし、ゆとり世代と呼ばれる人材を採用しはじめた企業も「できない理由を論理的に述べる」という社風を変えないと「ゆとり世代」にも見限られる時代になってきています。
伸びているベンチャー企業の経営陣の意志決定と社員の行動のスピードは驚異的です。
ベンチャー企業すべてがそうだと言っている訳ではありません。
企業で指示されたことも満足にできなくて独立した人が創った個人事業的な会社ではなく、企業の意志決定のスピードや社員の動きのスピードがスローモーションのような感じて渡された仕事などは簡単にできてしまう。その仕事に付加価値をつけて大きな成果を出してしまう。的な仕事を簡単にやりとげる人が独立して創った会社などは、驚異的なスピードで駆け抜けていきます。
そこで働く社員は大変ですが、それに慣れれば大きな仕事ができるようになります。
1か月かかる仕事を1週間でやり遂げる
これは、ソフトバンクさんの仕事を見ていると本当にできるんだなと感心してしまいます。
全社でやっているというよりも、全社から選りすぐられた精鋭部隊が新規事業の立ち上げ屋として次々に事業部を転々として実現しているというのが正しい表現と思います。
世界遺産学部だけで立ち上げ予定だったサイバー大学にIT総合学部が付加されて文部科学省から認可された一連の仕事の流れを見ていても、中央官庁を相手に見事という仕事の進め具合でした。
そういえば、国土交通省を相手に新規航空会社としてスカイマークを認可させたHISさんの仕事具合も同じように見事でした。
やはり伸びているベンチャー企業の経営陣、社員の「達成不可能と思っているのは自分だけであって、別に目の前の目標は達成不可能な目標ではない」という意識が大きな成果に結びついていると感じています。
営業研修に真剣に取り組んでいる企業の半数は増収増益
できない理由ではなく、できることは何なのか考える
ビジネスには競合がいる
次世代を担う人材に理解してもらいたい組織マネジメント
学生に学業とインターンシップを両立させるため
なぜ結果がでないのか?
できない理由ではなく、できることは何なのか考える
ビジネスには競合がいる
次世代を担う人材に理解してもらいたい組織マネジメント
学生に学業とインターンシップを両立させるため
なぜ結果がでないのか?
Posted by 森戸裕一 at 05:16│Comments(1)
│組織改善
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森戸さんが、一般企業が1ケ月かかる仕事を1週間でやり遂げるというエントリーを書
やらない言い訳をするさびしさ【「走れ!プロジェクトマネージャー!」】at 2009年07月12日 07:00
この記事へのコメント
本当にそうですね。
リーダーの姿勢がとても大事だと思います。ダメな組織は、意思決定をだれもしない、個別にバラバラで行動ということだと思います。ということで、スピード感なんてあったもんじゃない。
行政組織は、選挙でリーダが選ばれるため、社会にとって価値ある仕事(現時点・未来に対してということもあります)が、ぼやけることもあるし、エクセレントな行政は、リーダーが確固たる信念を持っておられます。
しかし、じゃあなぜそういうリーダーが生まれるのか、という背景を見ると地域課題が見えてきます。相互作用なんですよね。
選挙で勝てるリーダーと行政運営ができるリーダーも一致しない。職員の姿勢、人事etc、すべて作用し合って良くも悪くもしている。
その中で、自分の立ち位置を見つけて、一生懸命やるしかないというところです。我慢の時もありますし、孤軍奮闘する時もありますね。
でも、いつでも良い状態で仕事に臨めるように頑張っていきたいと思っています。
また、研修に伺います。
リーダーの姿勢がとても大事だと思います。ダメな組織は、意思決定をだれもしない、個別にバラバラで行動ということだと思います。ということで、スピード感なんてあったもんじゃない。
行政組織は、選挙でリーダが選ばれるため、社会にとって価値ある仕事(現時点・未来に対してということもあります)が、ぼやけることもあるし、エクセレントな行政は、リーダーが確固たる信念を持っておられます。
しかし、じゃあなぜそういうリーダーが生まれるのか、という背景を見ると地域課題が見えてきます。相互作用なんですよね。
選挙で勝てるリーダーと行政運営ができるリーダーも一致しない。職員の姿勢、人事etc、すべて作用し合って良くも悪くもしている。
その中で、自分の立ち位置を見つけて、一生懸命やるしかないというところです。我慢の時もありますし、孤軍奮闘する時もありますね。
でも、いつでも良い状態で仕事に臨めるように頑張っていきたいと思っています。
また、研修に伺います。
Posted by 雲仙市職員 at 2009年07月12日 08:14
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